子宮筋腫は手術しなければなくならないとは限りません。
出来ている箇所や大きさによっても漢方薬での効果は異なります。
しかし効果がきちんと得ることが出来れば、ある程度の大きさまでなら完全に筋腫がなくなったり、小さくなったりする方もいらっしゃるのです。 子宮筋腫ができる・できやすい体質というものが根っこにあります。
漢方で対策を行って子宮筋腫が完全になくなった場合でも筋腫ができる・できやすい体質を改善しておかないと再発することが多いようです。
子宮筋腫とは
子宮筋層にできる良性の腫瘍です。 成人女性の4人に1人の割合で発生すると言われ、30代から現れやすい症状です。 子宮筋腫は筋腫ができた部分によって大きく3つに分けられます。
子宮の外側にできる漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
子宮の壁の中にできる筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
子宮の内側にできる粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
です。 筋腫は、一つの場合もあり複数の場合もあり人それぞれです。
子宮筋腫自体は良性であり、手術を避け経過観察を行うほうが多いようです。
子宮筋腫の症状
筋腫の多くは無症状で、婦人科の検診時や妊婦検診時に偶然見つかる事が多いのです。
子宮筋腫の症状でもっとも多いのが月経の変化です。
特に量が増えます。 月経の量が増えると、貧血をおこします。
また、月経痛がひどくなってくるのも大きな特徴です。 子宮筋腫が成長し大きくなると膀胱を圧迫する事があり、その時は頻尿になります。 直腸を圧迫すると便秘になり、背部で骨盤の神経や血管が圧迫されると腰痛の原因ともなります。
子宮筋腫の中医学(漢方)の考え
子宮筋腫の原因のひとつは血流の悪化やそれに伴う冷え症です。
腹部が冷えて血流が滞ることにより、筋腫ができやすくなります。 漢方では、人間の体を構成する基本的な要素「気・血・水」のバランスが崩れることで健康状態を左右すると考えます。
子宮筋腫は、「気・血・水」のうち、「血」の巡りが悪く重度の『お血(おけつ)血液の流れが悪化している状態』が起こしています。 子宮筋腫のみならず、体内に腫瘤(ポリープ・腫瘍・いぼ)ができやすい体質の方は、同じ『お血(おけつ)』タイプの方がほとんどです。
漢方薬では血流を改善し、冷え症を改善して筋腫の治療を進めます。
体質の改善を図ると同時に、『お血(おけつ)』を解消して生理痛や貧血などの症状をやわらげることができます。血の巡りをよくすることで、子宮筋腫が小さくなることもあります。 また、子宮筋腫の発生は女性ホルモンが深く関係しています。
漢方の生薬には、ホルモンに作用し、女性ホルモンのバランスをととのえる効果もあるのです。
<<冷えによって血流が悪い方>>
漢方対策:「活血薬・温裏薬・補血薬」
冷えによって症状が悪化するので、まずは冷えないように気をつけることが大事です。
冬場の服装はもちろんのこと、夏場のクーラーで 冷えないように気をつけましょう。
また、冷たいものや生ものなどを飲食しすぎないように注意してください。
漢方薬は、「活血薬」「温裏薬」「補血薬」になります。 血流を改善すること、あたためてあげること、そして血を補ってあげて血流の手助けを行うことで改善を行います。
<<ストレスによって血流が悪い>>
漢方対策:「理気薬・和解薬」
ストレスは交感神経過剰状態を示します。自律神経のアンバランスがうまれ、ホルモンバランスが崩れてしますということです(気の滞り)。
交感神経が過剰になると、体内は収縮傾向になります。 体内が収縮すれば血管まで収縮します。 血管が収縮すると血液が流れる道は狭くなり、血液の流れが悪くなることは安易に想像できるでしょう。
ストレスによって症状が悪化したり改善したりするので、まずは何がストレスになっているのか原因を見極めることも大切です。 漢方薬は「理気薬」「和解薬」です。 気の滞りを改善すること、自律神経を正してあげることで体内をゆったりとした環境に改善してあげることです。体内がゆったりとした環境になれば、血流も改善されます。
<<水分代謝の悪化>>
漢方対策:「袪湿薬・補陽薬」
胃腸が悪く水分代謝が悪化している方は、先天的に胃腸の働きが弱い方と暴飲暴食によって胃腸にダメージを与えている場合に分け られます。いずれにしても食事の時間を規則正しくし、食事の量も腹八分目に、甘いもの、辛いもの、生もの 、脂っこいものなどは極力さけましょう。
頻尿、乏尿、腰が痛い、耳鳴りがするなどの症状がある方は『腎』の働きが低下している可能性があります。 特に下半身を冷やさないよう気をつけましょう。
最後に・・・・
子宮筋腫は、初めはなかなか気づかない場合が多いようです。
しかし筋腫が出来てる場所によっては出血が続いて貧血が起こったり、生理痛がひどくなってきたり、また、臓器を圧迫して腰痛や排尿障害などを引き起こしたりと日常生活に支障をきたしてしまう症状が現れます。そして、不妊や流産の原因にもなっています。また、子宮筋腫は再発をする可能性が高いようです。
それは、筋腫ができやすい体質が根っこにあるからなのです。 再発しないような体作りも行わないといけないということです。 漢方での対策は、決して難しいものではありません。
漢方での子宮筋腫の対策は子宮環境を整えるものです。
子宮環境を整えば、諸症状は改善され、もちろん、妊娠・出産も可能です。
今の自分の体質を見直してみてはいかがでしょうか。
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